大人のおねしょ（夜尿症）：原因と対策をおさえて毎日を楽しもう！

年齢を重ねてくると、骨盤底筋という骨盤の中に収まっている直腸や膀胱などを支え、排泄にかかわる筋肉が、衰えてくることで、尿漏れをしてしまうことが増えてきます。
特に女性は出産による損傷や、そもそも尿道の形状、長さが男性と違い、尿漏れが起こりやすいといわれています。

また、せっかく目が覚めても、足腰がスピーディに動かず、間に合わないということもおこります。

心配事を抱えたり、仕事などで強いストレスを受けたりすると、自律神経の不調や睡眠障害が起こり、おねしょをしやすくなってしまうと言われています。

●自律神経の不調によるもの
交感神経や副交感神経などの自律神経には、膀胱を緊張させたり緩めたりする役割があります。この自律神経に不調をきたすと、膀胱や尿道のコントロールも不調になります。

夜寝ている間は膀胱の緊張が緩み、一般的に昼間の1.5倍程度の尿を溜めることができるといわれています。
しかし、ストレスなどの心因的な理由で自律神経が正常に機能しないと、多くの尿を溜めることができずに、漏れてしまうのです。

●睡眠障害によるもの
「ストレスなどで眠れない」「心配な事があって眠りが浅い」といった経験をされている方は多いと思います。

こうした睡眠障害で眠りが浅くなると、尿量を抑えるホルモンである抗利尿ホルモンの分泌が少なくなります。
この抗利尿ホルモンの分泌が少ないと、尿が抑えられずに、膀胱におしっこが溜まりやすくなります。

通常より多くの尿が溜まることで、漏らしてしまうのです。

生活習慣や生活環境もおねしょに大きく影響します。

・寝る時間が一定ではなく、なかなか深い眠りが得られていない
・寝る前にお酒を飲まないと眠れない
・暑がりで寝ている間に布団をはいでしまい体を冷やしてしまう

といったことが長期間重なるとおねしょをする可能性が高くなります。

質の良い睡眠がきちんと摂れていることが重要です。

最近睡眠中に尿意を感じて目が覚めることが多くなったとか、寝ている時にトイレに関する夢をよく見るようになったという人がいれば、それはおねしょの危険サインかもしれません。

年を重ねたからといってあきらめず、日中、少しでも体を動かし、体力や筋力を維持していきましょう。

不安だからと引きこもってしまっては、ますます老け込んでしまいます。サポートグッズもいろいろ出ています。
上手に使って、充実したセカンドライフを送りましょう。

当たり前のことですが、心配事やストレスとなっているものを取り除くことが一番の対策です。

「そう簡単に取り除けないから悩んでいる」と言われてしまいそうですが、一人で思い悩んでいても、ますます落ち込んでしまうものです。

誰かに相談したり、必要以上に心配し過ぎたりしないようにして、やれることを探してみましょう。

あるいは、気持ちを楽にする方法を探してみたり、リラックスできること、楽しめることをやって、気持ちを切り替えるなどしてみてはいかがでしょうか？

まずは、規則正しい生活をし、質の良い睡眠を目指しましょう。

アルコールは利尿作用があるので寝酒はやめる、寝る前の水分を控え、寝る前にはトイレに行くといったことを一つひとつ実践していくことが重要です。

病気によるものの可能性が、少しでも疑われる場合は、迷わず病院に行くことをお勧めします。

・夜尿症・排尿トラブル：泌尿器科
・便秘の場合：消化器内科、胃腸科、内科
・糖尿病の場合：内科
・睡眠時無呼吸症候群の場合：呼吸器科、耳鼻科、内科など。
※最近は睡眠外来のような専門外来もありますので、総合病院などに問い合わせてみてください。

早めのチェックが、改善の一番の近道です。

最近は大人のおねしょや尿漏れ対策のための下着も進化していて、薄くて履きやすくなっています。

男性用の失禁パンツや女性用の尿漏れショーツを活用しておねしょ対策をするものお勧めの方法です。

尿漏れパッドを使用して着用するタイプや、吸水パッドがついているタイプのものなどがあります。
中には、吸水しつつも、骨盤底筋周りを引き締めてくれる優れものもあります。

おねしょで寝具や寝間着を汚さないか心配な人もいると思います。そんな場合は、寝るときだけ大人用のおむつを着用するのも一つの方法です。

おむつと言うと気持ち的に抵抗がある人もいるかもしれません。

しかし、なかなか布団の丸洗いは大変ですし、おねしょの臭いが気になるからと買い替えたりするのは不経済です。

そこは割り切って、コスパ重視、安眠重視と考えれば、おむつはとても効果的です。

良い睡眠が摂れていれば、おねしょも改善するかもしれません。